医学部再受験生が学ぶ! ~瞑想と科学~
どうも、Takiです。
今回は瞑想記事第二弾!ということで、
瞑想についての論文をご紹介したいと思います。
・瞑想とは?
一口に瞑想といっても様々な解釈があります。
ここでは禅における瞑想と、ヨガにおける瞑想についてお話しします。
まず禅とは、仏教の一派で座禅を主な修行法としています。
そもそも仏教では
「人生は嫌な事、苦しい事でいっぱいだから、執着心を捨てたら楽になれるよ」
という考えの元、執着心を捨てるために修行をしています。
ですから禅では、「執着心を捨てるためのソリューションが座禅」というスタンスということになります。
つまり禅における瞑想とは、「執着心を捨てるための方法」と言い換えられます。
つづいてヨガとは、ヒンドゥー教における瞑想の事を言います。
つまりヨガ=瞑想なんです。
ヨガと聞くと、軟体なポージングをイメージしますが、ヨガとは瞑想のことであり、ポージングを特に「アーサナ」と言います。
ヒンドゥー教では、「輪廻からの解脱」を目指して、苦行や瞑想に励みます。
輪廻から解放されるためには、自分の存在が宇宙と一体であることに気づかなければなりません。
宇宙と一体であるとは、現代風に言うと、「今いる我々は生命誕生から続くファミリーツリーの末端であり、自分を構成するあらゆる物質が宇宙に還元し得る」という意味だとTakiは解釈してます。
そしてそれに気づくために、苦行や瞑想を行うのです。
つまりヒンドゥー教におけるヨガ=瞑想とは、「輪廻から解脱するための方法」と言い換えられます。
もし宗教を網羅的に調べたいと思った方は、Takiが去年受験で使った倫理の参考書をお勧めします(笑)
宗教の他、心理学、哲学、経済学、社会学など色々な文系分野を学べるので、大人の教科書としてもお勧めです。
・瞑想が注目される背景
前回の瞑想の記事でもお話しました通り、
数々の著名人が瞑想を実践しています。
そんな中、瞑想が研究対象となり、
様々な科学的データが世にリリースされています。
そんな論文たちを、日英問わず、勉強がてらご紹介していきたいと思います!
・薬物依存に瞑想が効く?
瞑想は、間違いなく薬物依存や薬物乱用の新しい治療法の一つになると言われています。
その効果は、癖を治したり、激しい欲求を抑えたり、不適切な行動や、強迫観念に駆られた行動を減らしたりなどなど
そして健康的で、精神的にも強くなれる方法です。
また瞑想のスピリチュアルや宗教的な側面が自制心を強くすることが分かっています。
しかしまだまだ研究が浅いということも事実です。
瞑想にはいろいろな瞑想法があり、それぞれの瞑想法により、脳の活性の仕方も様々であることが分かっています。
この論文ではマインドフル瞑想、超越瞑想、仏教徒瞑想が議論されていました。
しかしいまいちエビデンスが決定的でないというか、
他の条件、例えば医師と患者の人間関係などによって効果が変化し得るという声も挙がっています。
まとめ:瞑想に効果はあるけど、根拠が弱いからもっと細かく研究しようよ
という論文でした(笑)
現状薬物依存には特効薬的な治療はなく、治療方針は薬物を摂取しないようにする、というものです。
そのために通院したりしなければならなくなるのですが、
一度手を染めると、治ったと思ってもまたやっっちゃう人が多いようです。
そこで瞑想を使ったセラピーが注目されています。
瞑想をすると自制心が付くことが分かっています。
自制心が付くことで、薬物に再び手を染めることなく、
寧ろアップデートされた状態で社会に戻ることができるのではないでしょうか。
出典:The Emerging Role of Meditation in Addressing Psychiatric Illness, with a Focus on Substance Use Disorders
Harv Rev Psychiatry. Author manuscript; available in PMC 2011 Jun 7.
Published in final edited form as:
Harv Rev Psychiatry. 2009; 17(4): 254–267.
・瞑想が怒りを抑える
怒りって身近ですよね。
怒ったことがない人っていないと思います。
でもその怒りが行き過ぎると社会に適応できなくなったり、病気になったりしちゃいます。
最近、人は繰り返し思い出すことで怒りを増している、ということが分かっています。
そんな厄介な「怒り」と瞑想のお話です。
ここで出てくる瞑想とは、マインドフルネス瞑想のことです。
マインドフルネス瞑想とは、
「今この一瞬一瞬の身体の感覚、心の働きに意識を向ける」という瞑想法です。
Takiの感覚で言うと、自分(自分1)を俯瞰しているもう一人の自分(自分2)がいて、自分2が、自分1の活動をただ黙々と観察しているイメージです。
瞑想するグループとしないグループに分け、怒りの反すう傾向を調べたところ、瞑想したグループはそうでないグループに比べて、怒りを反すうしないことが分かりました。
また、瞑想するグループを、さらに瞑想を続けるグループと続けないグループにわけたところ、瞑想を続けたグループの方がより、怒りを反すうしなくなった、ということがわかりました。
まとめ:マインドフル瞑想をすると怒りを繰り返し思い返さなくなる。瞑想を続けるとなお良い
「腹立つことを何回も思い出してまた腹立つ」系の人はぜひマインドフル瞑想を継続してやってください(笑)
きっと心が穏やかになります。
出典:マインドフルネス瞑想の怒り低減効果に関する 実験的検討 平野 美沙 湯川 進太郎 筑波大学 心理学研究2013年 第84巻 第2号 pp. 93–102
・瞑想に関する参考書
こんな感じでまた論文紹介していきたいと思います。
それでは、また。