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医学部再受験生が学ぶ!~リウマチとうつ病~

どうも、Takiです。

 

今回はリウマチ記事第二弾です。

 

 

・リウマチとメンタルヘルス

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リウマチの患者さんは、心を病むことが多く、全体の約20%がうつ病の疑いがあると言います。うつ病が併発すると、コスト面で負担が増えることに加えて、死亡率が高くなるという報告もあります。さらに、うつ病が遺伝する可能性も報告されています。

 

この実験では、メンタルヘルスと病気、身体障害、痛み、そして遺伝的リスクを二年間に渡って調べました。

 

実験の結果、3つの発見がありました。

一つ目は、心が健康でない人は、病状も悪いということです。

精神状態が悪い人は、病気、身体障害が悪化し、痛みも増す傾向にありました。一方で精神状態が改善した人は痛みが減少していました。そしてこのことは、うつ症状によって、その人の病気の進行を予測できることを示しています。

 

二つ目は、関節の腫れと心の状態が関係している、ということです。精神状態が悪い人は腫れがひどくなる、という結果がでました。それには炎症を促すサイトカインという物質が関係していると考えられています。サイトカインとは、情報伝達を担うタンパク質の総称です。ここでは、特に炎症を促すタンパク質と捉えて下さい。ネズミの実験で、炎症性サイトカインが増加すると、うつ行動を示すことが分かっています。また、うつ病の患者さんのリンパ液では、炎症性サイトカインが増えていることもわかっています。

 

さらに細かい話になると、サイトカインはインドールアミン2,3ジオキシゲナーゼという酵素を活性化します。この酵素トリプトファン代謝します。そしてこのトリプトファンを使ってしまう、ということが問題なんです。なぜならトリプトファンセロトニンの原料になるからです。セロトニン幸せホルモンとも呼ばれており、幸福感をもたらすと言われています。このセロトニンが減少することでネガティブになり、うつ病を発症してしまうのです。

 

つまり、「炎症(サイトカイン増加)→うつ症状悪化→炎症悪化→うつ症状悪化→」という負のスパイラルです。 

 

三つめは、うつ病の遺伝的リスクによってメンタルヘルスを予測できる、ということです。うつ病の遺伝的リスクが高い人は、ネガティブな環境要因に対する感受性が高い、ということが分かりました。つまりネガティブな性格は遺伝する場合がある、ということです。

 

 

 

・まとめと所感

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リウマチと心の状態がリンクしている、というお話は、前回紹介した論文にも出てきました。

そして今回の論文で、炎症がメンタルヘルスに関与していることがわかりました。炎症による痛みがストレスになることに加えて、炎症そのものが前向きに考えることを難しくしてしまうのです。

さらにネガティブな性格、ポジティブな性格も遺伝する可能性がわかりました。

 

これは、言われてみればなんとなくわかる気がします(笑)

Takiは極めてポジティブな性格の持ち主なのですが、友人によく「私もポジティブに生きたい!」という相談を受けます。

そしてTakiの考え方を話すのですが、大抵「そんな風に考えられない」と言われてしまいます(笑)

それに対して、「なぜ変わりたいのに、マインドを変えないのか?」と疑問に感じていました。

ですが物の捉え方も遺伝子によるものならば、そもそも「マインドを変えるハードルが人によって違う」のではと感じました。

背が高い人が、背が低い人よりも高いところに手が届くのと同じように、「自分にとって簡単なことも、人からみたらとんでもなく難しいのかもしれない」ということです。

それなら見える世界って個人によって全く違いますよね。

偏見や決めつけがいかに愚かな行為か改めて実感しました。

 

また一つ賢くなった気がしました(笑)

 

それでは、また。