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脳の表面積は遺伝する!

どうも、Takiです!

 

 

600人以上の子供の脳の外形を分析した結果、認知において重要な領域における脳の表面積が遺伝することがわかりました。

 

 

・人間に特有な大脳皮質

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人間の進化の過程で、私達の脳は大きく拡大しました。

過去数百万年にわたって膨らんだ領域の1つが、表面のしわが特徴的な大脳皮質です。

大脳皮質は感覚情報を処理し、私達の運動を調整し、そして言語処理や問題解決のような高次機能も担当しています。

 

科学者たちは大脳皮質の構造を研究し、種として私たちの生活と進化を通して大脳皮質がどう発達してきたのか、そして遺伝と知性がどのように関係するのかを理解しようとしています。

 

発達過程の脳に関する新たな研究によって、小児期から成人期に発達し、進化の過程で拡大し、遺伝と関連する大脳皮質の三要素の関係が明らかになりました。

また、IQテストの得点と知能に関連する領域の表面積が遺伝的に相関していることがわかりました。

 

 

・脳と遺伝

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この実験では、遺伝子によって最も変化がみられる脳の領域をピックアップし、さらに進化的拡大と神経発達との関連性を探すことによって、より広い視野で遺伝性と脳の関係を探る試みを行っています。

 

この研究では、677人の子供の脳のMRI画像を分析しました。

MRIによって子供の脳をマッピングし、大脳皮質のしわ、溝、うねりのレイアウトがわかりました。

脳の特徴を遺伝子サンプルと結び付けることによって、発生、進化を通して遺伝子がどのように脳を構成するかを調べました。

 

この研究の結果は、発達において脳の表面積が重要であることを示しており、最近まで表面積は、体積や厚さほど注目を集めていなかったようです。

 

さらに、双子、兄弟、その他家族のデータと比較することによって、脳の形質の遺伝率を調べました。

そして家族の間で遺伝子の共有部分を元に、遺伝と脳の相関関係を見つけることができました。

 

脳の表面積と構造は個人差が大きく、そして脳の表面積は遺伝率が高いことがわかりました。

脳の構造の遺伝的要因は85パーセントを占めていました。

 

また子供たちのデータから、大脳皮質の厚さと脳の表面積が遺伝的に関連していることがわかりました。

しかし成人における過去の研究では反対に、大脳皮質の厚さと表面積の発達には異なる遺伝的要因が関わっていると解釈されました。

 

 

・部位による遺伝性の違い

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さらに、脳の部位による違いについても詳しく調べました。

まずMRIのデータを基にバーチャルの脳を作りました。

そしてバーチャルの脳表面をおよそ80,000の小さな三角形に分解し、脳の異なる領域の表面積を比較することができました。

これらのデータを遺伝情報と統合することで、各点でどの程度遺伝に関連しているのかを知ることができます。

分析の結果、脳表面積のどこが遺伝に最も関連しているかが明らかになりました。

 

言語処理と知性において重要である前頭皮質と側頭皮質が遺伝によって最も影響を受けていることがわかりました。

そしてそれは人間の進化の間に拡大した脳の部分でもあります。

前頭皮質と側頭皮質は人間が人間以外の霊長類と最も異なる領域です。

そのため、進化的に新しいこれらの領域に影響を及ぼす共通の遺伝的要因があるのではないかという仮説が立てられています。

 

これらはまた、小児期に最も急速に変化する部分でもあり、人間の中で個人差を引き起こす遺伝子の中には、時間とともに進化するものもあることを示唆しています。

 

遺伝的な特徴を組み込んだ脳のマップを、子供たちに実施したIQテストの結果と一緒に分析することによって、テストでの高いパフォーマンスに結びついている大脳皮質の内、どの部分が遺伝に関連しているのかを解明することができます。

 

分析により、脳の左側にある縁上回では、IQと表面積の間にほぼ完全な遺伝的相関があることがわかりました。

縁上回は、言葉を受け取る機能の中心的な役割を担っています。

 

 

・まとめ

 

・大脳皮質は人間に特有

・脳の表面積は遺伝する

・縁上回(言葉を理解する部位)が最も遺伝性が高い