顔の形でその人の性格が分かる? ~テストステロンや収入も性格に影響する~
どうも、Takiです。
今回はテストステロンに関する面白い論文を見つけたのでご紹介したいと思います!
・顔の形でその人の性格が分かる?
現在たくさんの研究者が、fWHRとその人の性格・行動の関係について研究しています。
fWHRとは、「眉毛の下での顔の幅」と「眉毛の下から唇の上までの高さ」を割った値です。
fWHRの高い人(顔の横幅が縦幅に比べて長い人)は、反社会的な性格の持ち主で、支配的な行動を取る傾向にあるようです。
具体的には、信用性が低い、自己中心的、捉えどころがない、サイコパス的、攻撃的という特徴があります。
この実験では、fWHR、ダークトライアド、攻撃性、収入、テストステロンを計測し、それぞれの関係性を調べました。
ダークトライアドとは、心理学用語でナルシズム(自己愛傾向)、マキャベリズム(目的のために手段を選ばない傾向)、サイコパス傾向(反社会的性格傾向)の総称です。
実験の結果、収入が低い層においてのみ、fWHRと自己中心性、暴力性に相関がみられました。
そして高収入の層では、fWHRはマキャベリズムと暴力性に相関がみられませんでした。
このことから、高い収入にはfWHRと暴力性、サイコパス傾向、マキャベリズムとの相関性を緩和させる働きがあることがわかりました。
しかしながら高収入によって、言葉の暴力、怒り、敵対心といった攻撃性が緩和される結果にはなりませんでした。
同様に高い収入には、ナルシズムを緩和させる働きもありませんでした。
自己愛性とテストステロン値が正に相関していることがわかった一方で、fWHRと自己愛性には相関がみられませんでした。
さらにテストステロンがfWHRとナルシズムの相関性を緩和していることがわかりました。
つまりfWHRが高い人の内、テストステロン値が高い人は自己愛性が低く、テストステロン値が低い人はナルシズムが高い、ということです。
テストステロンがfWHRとナルシズムの相関性を緩和してしまうために、fWHRとナルシズムに相関がみられなくなったのです。
・実験結果の考察
収入が、fWHRと支配的傾向の相関性を緩和する仕組みは、リスク感受性理論で説明できるといいます。
リスク感受性理論とは、「決定者は必要性の高い状況の時にはハイリスクの選択をし、必要性の低い状況ではローリスクの選択をする」というものです。
過去の研究では、fMHRは社会優位性、攻撃性、そして権力を示す目印の一つであるとしています。
この考えに基づけば、fMHRが高い人はより権力を求め、結果として地位の高い立場でうまく立ち回るといいます。
今回の実験でもその傾向は認められており、fMHRが高い人は高い収入の立場において、より高い社会性を発揮するようです。
そしてそのことは、リスク感受性理論で説明できるといいます。
高い社会的地位が、権力や社会支配に対する強い欲求を満たしているので、もはやハイリスクの選択は必要ないのです。
しかしながら、社会的地位が低い場合は、その欲求を満たすために衝動的で支配的な行動をとったり、ハイリスクな行動を取ってしまうのです。
特に低い収入はリスクを求める高い欲求を持った状態であるといえます。
このことはfMHRが高くて収入が低い人は、自分の望みと現状にギャップを感じてしまうためだとしています。
そしてそのギャップを埋めるために、お金のような価値の高い資源を得ようとし、暴力に訴えたり、手段を選ばなかったり、人から搾取したりといったハイリスクな行動に出ると言います。
また、自己愛性についてもリスク感受性理論によって説明できるといいます。
テストステロン値が高いと地位や名声を求める欲求が緩和されナルシズムを示す行動(ハイリスクの行動)を取らなくなりますが、テストステロンが低いとそのような欲求が緩和されず、ナルシズムを示す行動をとってしまう、ということです。
さらにどの収入層においても、優越心を求めることがわかりました。
話がややこしくなってきました(笑)
ややこしさの原因はダークトライアドの定義によります。
ダークトライアドの構成要素はナルシズム、マキャベリズム、サイコパス傾向の三つに分類されていましたが、結局この三要素は完全に分離されるものではなく、互いに重複しているのです。
しかしながら、ナルシズムだけ他の二つと異なる結果を示しています。
その理由としてナルシズム特有の要素が挙げられます。
それが優越心傾向と誇大傾向です。
ナルシズムの強い人は、自分は特別であるとか、自分が地位や名声にふさわしいという風に考える傾向にあります。
それをふまえてまとめに入りたいと思います。
・まとめと所感
fWHRが高い人は、ダークトライアド(ナルシズム、マキャベリズム、サイコパス傾向)が強く攻撃性が高い傾向にあります。
そして高い収入には、暴力性、サイコパス傾向、マキャベリズムを緩和させる働きがあることがわかりました。
しかし言葉の暴力、怒り、敵対心といった攻撃性が緩和される結果にはなりませんでした。
一方テストステロンが高いとナルシズムが緩和されることがわかりました。
ただし優越心を得たい気持ちは下がらないようです。
もっと簡単にいうと
fWHRが高い人は
高収入になると社会性が高くなり、
高テストステロンになると自分を冷静に見れるようになる。
と言えるのではないでしょうか。
それにしても顔の形で性格が分かるなんて面白いですね!
それに収入やテストステロンによってその性格が左右されるなんて驚きです。
以前お話したテストステロンの働きの一つに「自信がつく」というのがありました。
元々自身の無い人は自信が付いて、
自分を過信している人は客観視できるようになる、ということなのでしょうか。
また面白い論文を見つけて読んでみたいと思います。
それでは、また。