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ADHDは脳の違いによるものだった!

どうも、Takiです。

 

今回はADHDの人の脳についての記事をご紹介しようと思います。

 

 

ADHDにおけるこれまでの脳画像の研究では、脳の5つの領域で差異が確認されていますが、その差は成人よりも子供において顕著に見られることがわかっています。

 

The Lancet Psychiatryに掲載された研究によると、注意欠陥多動性障害ADHD)は、5つの脳領域の発達遅延と関連しており、脳の障害であるとしています。

 

 

・3200人以上の脳を調査

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この研究は最大級のもので、3,200人以上の脳を調べました。

研究の結果はADHDの理解を深めるのに役立ち、ADHDの子供達はが扱うのが難しいといったイメージや、子育てをうまくやらなかった結果であるというイメージを払拭するものになるでしょう。

 

ADHDの症状は、集中力がない、多動性そして衝動を抑えられないといったものです。

この疾患は18歳未満の20人に1人以上(5.3%)が罹患しており、診断された患者の3分の2は成人後も症状が続いています。

 

過去の研究では、ADHDに関与していると考えられている脳の領域は、大脳基底核(感情、自発的運動および認知を制御する脳の一部)にあり、ADHDの患者では大脳基底核のうち尾状核被殻が小さいことがわかっています。

 

 

・5つの領域で違いが

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今回の研究では、ADHDと診断された1,713人の人々とそうでない1,529人の人々の脳構造の違いが測定されました。

 

3,242人全員がMRIスキャンを受け、脳の容積と、ADHDに関連すると考えられている脳の7つの領域の大きさ(淡蒼球視床尾状核被殻側坐核扁桃体、海馬)を測定しました 。 研究者らはまた、ADHD患者がリタリンなどの精神刺激薬を服用したことがあるかどうかにも注目した。

 

この研究では、ADHD患者では、全体的な脳の容積と尾状核被殻側坐核扁桃体、海馬の五つの領域が小さいことがわかりました。

 

観察された違いは、ADHDの小児の脳で最も顕著でしたが、成人ではそれほど明白ではありませんでした。

これに基づいて、研究者らはADHDは脳の障害であるとし、いくつかの脳領域の発達の遅れがADHDの特徴であることを示してます。

 

過去の研究でADHDとの関連が示されている尾状核被殻に加えて、今回の研究で扁桃体側坐核および海馬をADHDと決定的に関連づけることができました。

 

 

・新たな仮説

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研究者らは、扁桃体は感情の調節を通じてADHDと関連しており、側坐核は報酬処理を通じてADHDにおける動機や感情の問題と関連している可能性があると仮定しています。

そしてADHDにおいて海馬は、動機と感情と関わりあって機能する可能性があります。

 

MRIスキャンの時点で、ADHD患者の455人が精神刺激薬を服用しており、さらに637人が過去に薬を服用していたことがありました。

そして5つの脳領域の体積の違いが、薬物を服用したか否かにかかわらず観察され、脳体積の差は精神刺激薬の結果ではないことを示唆しています。

 

 

・負のイメージの払しょく

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今回の研究結果は、ADHD患者は脳構造に違いがあることを確認したもので、ADHDは脳の疾患であることを示唆しています。

そしてこの研究でADHDの理解が深まり、ADHDの扱いづらい子供たちとしてのイメージや、子育ての失敗といったネガティブなラベリングを払拭するのに役立つことを願っています。

 

この研究にはあらゆる年齢の多数の人々が含まれていましたが、その理由はADHDが一生を通してどのように発達するかをまだ分かっていないことを意味します。

したがって、脳の違いが時間を経てどのように変化するかを見るために、小児期から成人期までADHDの人々を追跡する研究が、今後の重要なステップになるでしょう。