BCAAを取るメリット・デメリット
BCAAを含むサプリメントは、筋肉の成長とパフォーマンスを高めるためにボディビルダーやアスリートに人気があります。
ある研究によると、BCAAには他にも健康上の利点がある可能性があります。
BCAA(Branched Chain Amino Acids, 分岐鎖アミノ酸)は必須アミノ酸で、ロイシン、イソロイシン、バリンの総称です。
体はタンパク質を作るためにアミノ酸を使用します。
タンパク質ははあらゆる細胞、組織と器官の構成要素です。
また、アミノ酸やタンパク質は代謝においても重要な役割を果たしています。
体は必須アミノ酸を合成することができないので、食事からそれらを得る必要があります。
それではBCAAを取るメリット、デメリットをみていきましょう。
メリット1:運動機能向上
BCAAサプリメントを服用すると、運動疲労を軽減し、持久力を向上させるのに役立ちます。
BCAAを摂取していると、運動時のセロトニン血中濃度が低くなることがわかっています。
セロトニンは運動疲労にも影響を与える重要な脳内化学物質です。
(運動時に血中セロトニン濃度が高まり、それが疲労に繋がるという説がある。)
BCAAの補給はまた、エネルギー代謝を改善し、クレアチンキナーゼや乳酸デヒドロゲナーゼなどの筋肉の損傷に関わる物質のレベルを下げました。
これらのことから、BCAAは運動機能を向上させると考えられています。
メリット2:除脂肪筋肉量の増加
BCAAは除脂肪筋肉量の増加や体脂肪率の減少にも役立ちます。
BCAA、プロテイン、スポーツドリンクのいずれかを与えてトレーニングをさせた実験では、BCAAを摂取したグループに、最も体脂肪率の減少・筋肉量の増加が見られました。
メリット3:病床時の筋肉維持
BCAA、特にロイシンは慢性疾患の人の筋肉量を維持するのに役立ちます。
さまざまな病気がタンパク質合成に影響を及ぼし、それが体内のタンパク質や骨格筋量の減少につながる可能性があります。
メリット4:筋肉損傷の回復
BCAAの補給は強度の高いトレーニング発生する筋肉の損傷を軽減するのにも役立つ可能性があります。
運動中にBCAAサプリメントかプラセボを与えた実験では、BCAAを摂取した人々の筋肉損傷を示す物質の血中濃度はプラセボに比べ低いことがわかりました。
このことから、BCAAの摂取が筋トレでの筋肉へのダメージを減少させることがわかります。
メリット5:瞬発力の向上
BCAAとアルギニンの組み合わせて与え、二日間に渡り瞬発力を調べた実験では、プラセボを摂取したグループと比較して、瞬発力が向上していることがわかりました。
この実験から、連日で試合を行うスポーツ選手等にとって、BCAAは優位であると結論づけられています。
メリット6:肝臓疾患の改善
BCAAには肝臓疾患を改善する効果があります。
末期の肝硬変患者を、BCAAを毎日与えるグループと与えないグループとにわけ、6か月間にわたり調査した実験では、
2年以上にわたり、末期肝疾患モデル(MELD)テストのスコアは、BCAAを摂取していない参加者と比較して、BCAAを摂取した参加者の間で有意に向上しました。
医師がクレアチニンやビリルビンなど、血中の特定の物質のレベルを測定することによってMELDスコアを計算します。
そしてそのスコアから、どの程度肝不全に罹患しているかを判断します。
また別の研究では、BCCAの補給が肝硬変患者の筋肉量を増加させることがわかっています。
・BCAAを含む食材は?
BCAAは必須アミノ酸で、体でそれらを作ることはできません。
しかし、多種多様な食品にBCAAが含まれており、たんぱく質が豊富な食事を摂ることで十分に摂取することができます。
BCAAが含まれている食材は、肉・鶏肉・魚・卵・牛乳・チーズ・ナッツ類・豆類・豆乳・豆腐などです。
またサプリメントからも摂取できます。
・BCAAのデメリット
BCAAは基本的に安全で、サプリメントを取る場合でも、過剰に摂取することがなければ問題になることはありません。
ある研究では、糖尿病、肝疾患、癌、心疾患に関連しているという報告もありますが、詳しいことはわかっていません。